wacom Cintiq Pro 24を買いました。
私がこのCintiq ProのPVに出演しているので、半ば義務のようなものでしたけど・・・。
インターネットは大変便利です。自分以外にも多くの方がCintiq Proのレビューを上げてくれて、しかも技術的に詳しい内容も書いてくれます。なので、本来はこのようなレビューを書く必要がありません。タイトルには「wacom Cintiq Pro 24レビュー」と書いてありますね。本当にごめんなさい。ちゃんと書きます。いちイラストレーターの率直な感想文です。誰かの目に止まって、もしその方の将来の後押しをできたら、それは幸せなことです。
「Cintiq Pro」というのは、実は以前から発売されていて、今回は24インチ版が出た、というだけなのです。以前発売されていたのは、「13インチ」と「16インチ」でした。当然小さいほどお値段もお安く、こと13インチに限っていえば、12万円前後(執筆時2018/3/30現在)で買えてしまいます。
24インチが発表される前、この13、16インチを購入検討して、買う一歩手前までいきました。それでも思いとどまったのは、「iPad Pro」の存在が大きかったとおもいます。こちらも実は13インチ。13インチの優位性も、手頃感も、描画感もわかっていました。iPadProでは、Mac環境で使用できるPhotoshopなどは、使用することはできませんので、別物といえば別物です。
なぜ買わなかったのか。
一言で言えば、大きいタブレットが必要だったからです。
私はイラスト以外にも、DTP、デザインもやっています。大型4Kディスプレイに変えた時の優位は計り知れません。出力の出番が少なくなり、その場で、ディスプレイ上で等倍確認できる。もちろんイラストにも生きてきます。なにせ印刷媒体を扱っていますので、普段から印刷を強烈に意識しています。見ている方に、伝わらない部分かもしれませんね。伝わらなくても、プロとして持っておくべき感覚だとおもっています。
話を戻して、液タブをタブレットとしてではなく、ディスプレイとして見た場合、やはり大きいものでないとお仕事にならないので、出るかどうかもわからない、24インチオーバーのCintiqをかねてから待ち望んでおりました。
そして、今、こうやってCintiq Pro24を前にレビューを書くことができて、本当に胸がいっぱいです。とても長いまえがきになりました。試用感や、気になったことなどを書いていきます。
[大きさ]
前モデル24HDと比較すると、同じインチ数であってもこちらの方が小さいです。(ベゼルが狭くなった)厚さは同じくらいです。エルゴスタンド(別売)がない分、とてもスッキリしています。
[描画性能]
問題ないとおもいます。
[液晶性能]
AdobeRGBカバー率99%らしいです。と書いてもわかりにくいですね。
発色はとても綺麗です。4K画面でドットも見えないくらいです。しかし、画面のガラス加工のせいか、Apple系のそれと比べると、少しだけ滲んで見えます。でもクリアにしすぎない方が、描いている人にはいいかも。デザイン系だとシャキッとしてほしい感じがします。
[接続]
個人的に、一番良かった部分です。
ついにUSB-Cの単線でつながりました。本体にはUSB-Aハブが4つも付いていて、Macbook本体にUSBハブ要らずになりました。線が無いのが何より良いです。
[その他気になったところ]
まず、スタンドが別売りなところです。専用スタンドが5月発売予定らしいです。液タブを立てて絵を描かれる方には、今の所立てる手段が無いのが辛いです。幸い私は寝かせて描くので、このままでOKでした。(スタンドが無い分薄くなって位置どりしやすくなりました)
あと、ファンの音が気になりました。初回起動時は、音楽が掻き消えるほどの轟音がして、不安になりました。原因は、ディスプレイの明るさ設定みたいなんですけど、明るさを50以上に設定すると頻繁にファンが回って困ります。結構きになるので、アップデートできるならしていただきたい部分です。
[まとめ]
今市場には、液晶タブレットが溢れていて、何を選んでもそう外れない選択肢ばかりです。その中で、一際オーバースペックなCintiq Proシリーズには、wacomのプライドのようなものを感じます。自分自身も作業の半分をiPad Proに任せるようになって久しく、だからこそ、大きい液晶タブレットに別の役割を与えられます。
予算が許すならば、24インチ、そして今後発売する32インチに手を出してみても、後悔しないのではないかなとおもいます。
考えようによっては、仕事場に4Kディスプレイが入ることになるので、今後増えていく4Kコンテンツを楽しめるようになりますし、ほとんど角度のない形で平置きできるので、アナログイラスト画板台としても使えます(限られた机のスペースではかなり重要です!)鉛筆も転がりません。ネタではなくて、結構そうやって使おうかなとおもったんです。実物見るまではわからなかった点です。
質問などあれば、ツイッターなどでリプライいただければとおもいます。分かる範囲でお答えします。
それでは!
[お仕事情報]
4月7日にソーテック社刊ガールズイラストファイル「彼女図鑑」が発売されます。
99名が参加しています。イラストの他に、そのイラストレーターの作業環境、連絡先なども載っております。お仕事発注を考えられている方の助けになる本です。こちらの本の表紙を描いています。
予約も始まっておりますので、よろしければぜひ!